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例えば夏の夕暮れ

どこで聞いたのか忘れてしまったが、井上陽水の「少年時代」の歌詞に出てくる「風あざみ」。この「風あざみ」という言葉には特に意味はないのだという。誰もが一度は耳にした事があるであろうこの曲の冒頭に出てくる語句が全くの造語だと知って驚いたので覚えていたのだろう。
夏の夕暮れにノスタルジーを感じると言う人がいる。僕自身は夏より断然冬が好きなのだが、確かに夏の夕暮れに郷愁に似た何かを感じることはある。なぜか。
人の記憶というのは嗅覚と深く結び付いていると言う。「恋人と別れたばかりの人が雑踏の中でかつて恋人が使っていたものと同じシャンプーの香りを感じて立ちすくむ」なんてシチュエーションはもう使い古されているくらいだ。(本当にそんな事ってあるのか?)日本の夏というのは高温多湿だ。まず、気温が高い方が匂いの原因となる粒子の揮発量が多い、加えて哺乳類が匂いを感じる上で、湿度というのは非常に重要なファクターだ。人間よりも遥かに嗅覚が優れている犬を連想するとわかりやすい。彼らの鼻は常に湿っている。逆に言うと湿度が低い状態ではうまく匂いを感じる事が出来ないのが哺乳類なのだ。
以上の事を踏まえたうえで、「夏の夕暮れ」を想像してみると、そこには蝉時雨や夕立ちを告げる遠雷や祭囃子よりも鮮明に夏独特の草いきれのような「夏の匂い」が存在しないだろうか。きっとそれこそがノスタルジーの正体で「風あざみ」なのではないだろうか。